Yokohama Sampling Spirits
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高輝度光科学研究センター(JASRI)は、北陸先端科学技術大学院大学らと共同で、よく知られた物質である金 (Au) が、これまで検出されていなかった新たな磁気的性質を有することを明らかにしました。
金は、有史以前から人類にとって馴染みの深い貴金属です。古くから宝飾品や貨幣として使われてきましたが、近年ではハイテク材料としての利用が注目されています。現在、金は軟らかくて加工しやすく、また電気をよく通すことから、半導体の配線等に使用されています。また、鉄やコバルトといった磁性体と組み合わせることで磁気記録材料としての応用も検討されています。
従来、金は代表的な
反磁性
体
*1
として知られており、それ自身では磁石となるような強い磁性は持たないと考えられてきました。ところが、最近の研究で、金をナノサイズの粒子にすると強い磁性を持つことが明らかになり、学術的にも応用の面でも興味を持たれています。
本研究では、マクロな大きさの金も、
常磁性
*2
といわれる明確な磁気的性質を持つことを世界で初めて明らかにしました。従来の磁気測定法では、この常磁性の性質は、それよりも大きな反磁性の性質に隠されて観測することができませんでしたが、
大型放射光施設SPring-8
*3
の磁性材料ビームライン(
BL39XU
)の高輝度円偏光X線を用いた
X線磁気円二色性分光測定 (XMCD)
*4
によって、微弱な常磁性信号を世界で初めて検出することに成功しました。この測定には、JASRIと(独)理化学研究所播磨研究所が共同開発したX線の偏光制御技術と、それを用いた高感度なXMCD測定が必須でした。マクロな大きさの金と金ナノ粒子の測定結果を比較すると、両者はともに電子の
軌道運動
*5
に基づく磁性の成分が大きいことが分かりました。ナノ粒子の金が強い磁性をもつ理由は、金という物質そのものに存在する隠れた磁気的性質にあったのです。
今回の発見は、物理の教科書において「金は反磁性体」との記述に一石を投じるものです。また、本研究によって、金だけでなく白金など貴金属のナノ粒子の磁気的メカニズムの理解が促進され、将来的にはこれらのナノ粒子を記録単位としたハードディスクなどの超高密度磁気記録材料の開発が期待されます。
金(Au)における隠れた磁性の存在が明らかに - ナノ粒子の磁気的性質の解明へ大きな手がかり - (プレスリリース) — SPring-8 Web Site
Source:
spring8.or.jp
1/25/12 — 1:38pm
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